- 2024-10-10
東京ゲームショウ2024、開催
今月は、9月末に行われた東京ゲームショウ(TGS)、新たな作品やプロジェクトの発表、提訴に関するニュースが見受けられた。
いずれも現在または今後のゲーム業界の動向に大きく関わる内容となっており、各所から高い注目を集めることが予想される。
主なゲーム業界ニュース
任天堂とポケモンがポケットペアを提訴
・ポケットペアのタイトル「Palworld / パルワールド」が複数の特許権を侵害しているものとして提訴
・作中に登場する生き物「パル」のデザインなどに、ユーザーからも類似性を指摘する声が挙がっている
「ペルソナ5:The Phantom X」の日本展開が正式発表
・セガ・アトラス・Perfect Worldの3社が共同開発するオンラインゲーム
・ペルソナ5が舞台となっており、同作を0から遊びなおせる世界を目指している
日本ゲーム大賞2024の受賞作品発表
・大賞は「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」
・今年から新設された賞では「8番出口」がブレイクスルー賞、「スイカゲーム」がムーブメント賞を受賞
KONAMIがメディアミックスプロジェクトを始動
・ゲーム化を目指すweb3プロジェクト「PROJECT ZIRCON(プロジェクト・ジルコン)」が始動
・プロジェクトの一環として、白泉社やSallyとコラボしたイベントを開催
TGS2024の来場数を発表
・リアル会場における総来場者数は274,739人
・過去最多の44国(985地域)の企業・団体が出展
任天堂とポケモンがポケットペアを提訴
2024年9月19日、任天堂がポケモンと共同でポケットペアに対する特許権の侵害訴訟を東京地方裁判所に提起したと発表。
この訴訟は、ポケットペアが開発・販売するゲーム「Palworld / パルワールド」が複数の特許権を侵害しているとして、侵害行為の差止及び損害賠償を求めるものとなる。
パルワールドは広大な世界で不思議な生物「パル」を集め、戦闘・建築・農業を行なわせたり、工場で労働させたりする全く新しいマルチ対応のオープンワールドサバイバルクラフトゲーム。
リリースから約1ヶ月で総プレイヤー数が2,500万人を突破し、オンラインゲーミングプラットフォーム「Steam」の同時接続者数は210万人を超え歴代2位に。
また、2024年7月にはソニーミュージックエンタテインメント、アニプレックス、ポケットペアの3社が株式会社パルワールドエンタテインメントの設立を行っている。
快進撃を続ける一方で、作中に登場する生き物「パル」のデザインなどにユーザーからも類似性を指摘する声が挙がっていた。
任天堂のニュースリリースには「当社のブランドを含む知的財産の侵害行為に対しては、今後も継続して必要な措置を講じていく」と記載されており、以降の動向にも引き続き大きな注目が集まりそうだ。
画像出典:ポケットペア公式サイト
「ペルソナ5:The Phantom X」の日本展開が正式発表
2024年9月25日、セガとアトラスが、ペルソナ5の世界観で描かれる完全新作ゲーム「ペルソナ5:The Phantom X」発表会を開催。
アトラスのペルソナシリーズ統括プロデューサー和田和久氏が、同作の日本展開を正式発表した。
ペルソナ5は2016年にアトラスからリリースされた学園ジュブナイルRPG。
全世界で数多くのゲームアワードを受賞しており、数度にわたるリメイク作品の他、アクションRPGやシミュレーションRPGなどの派生作品もリリースされている。
全世界のシリーズ累計販売本数は1,000万本以上となっており、熱狂的な支持を得ている作品だ。
今回発表された新作は、ペルソナ5の魅力をもっと多くの人に手軽に楽しんでほしいという想いで、セガ・アトラス・Perfect Worldの3社が運営型オンラインゲームとして共同開発をスタートした。
ペルソナ5を0から遊びなおせる世界を目指しており、メインストーリーはアトラスを中心に3社で進行。
ペルソナシリーズらしい物語を楽しめるとのことだ。
その他、モバイル版とPC版のクロスプラットフォーム展開を予定していることや、日本国内でクローズドβテストを行うことも発表されている。
クローズドβテストの募集期間は2024年9月25日から10月6日までとなっており、実施期間は追って発表。
募集人数を越えた場合は抽選での参加となる。
画像出典:ペルソナ5:The Phantom X公式サイト、公式X
日本ゲーム大賞2024の受賞作品発表
2024年9月26日、東京ゲームショウ2024で「日本ゲーム大賞2024」の受賞作品が発表された。
大賞に選ばれたのは任天堂の「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」で、ベストセールス賞、優秀賞も含むトリプル受賞となった。
大賞の理由には「淡い水彩画のようなタッチで描かれた広大なフィールドの美しさ」「時間と共に変化する風景」「前作から格段にアップした冒険の自由度」「仲間との再会や共闘などのドラマ」などが挙げられている。
一般投票でも幅広い世代のユーザーから熱狂的な支持が数多く寄せられ、本年度の年間作品部門の大賞に輝いた。
また、カプコンの「ストリートファイター6」が特別賞と優秀賞をダブル受賞しており、「視覚障碍者と健常者の対等な対戦を実現し、ゲームの持つ可能性とeスポーツの裾野を拡大した点」「ゲームセンターの対戦台を彷彿させるオンライン対戦機能」などが評価されている。
今年から新設された賞では「8番出口」がブレイクスルー賞、「スイカゲーム」がムーブメント賞を受賞。
いずれも多くのストリーマーがプレイ動画を配信して大きな話題となったゲームだ。
この他、対象期間である2023年4月1日から2024年3月31日に話題になった計11作品(大賞作品含む)が優秀賞を受賞しており、発表の模様などは公式サイトやYouTubeからアーカイブ視聴が可能となっている。
画像出典:日本ゲーム大賞公式サイト
KONAMIがメディアミックスプロジェクトを始動
2024年9月27日、KONAMIが「PROJECT ZIRCON(プロジェクト・ジルコン)」のメディアミックスプロジェクト始動を発表した。
「PROJECT ZIRCON」はKONAMIが主導する共創プロジェクトで、ユーザーは各種SNSなどからプロジェクトを進めるためのアイディアを出すことが可能。
誰もがコンテンツの創作に参加でき、ルールを守ればIPの商用利用もOKとなっている。
同社はプロジェクトの第一弾として「KONAMI×白泉社 クリエイター発掘 マンガ・イラストコンテスト」を開催。
白泉社が運営するサイト「マンガラボ!」にて、提示されたお題に沿って作品を投稿する形式で、部門はマンガとイラストの2つ。
なお、マンガ部門の大賞作品は同社のアプリ「マンガPark」で新連載を行える。
また、マダミスアプリ「ウズ」を運営するSallyとコラボした「PROJECT ZIRCON マダミスコンテスト」も開催されている。
応募シナリオはウズで公開され、プレーヤーの投票によって大賞を決定。
大賞にはKONAMIのデザイナーによる描き下ろしイラストや「特典NFT」「公認アーティストロール(「PROJECT ZIRCON」チームが活動を後押し)」が進呈される。
画像出典:PROJECT ZIRCON公式X、マンガラボ!公式特設ページ、UZU公式ニュースページ
TGS2024の来場数を発表
2024年9月29日、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会は東京ゲームショウ2024のリアル会場における総来場者数が274,739人だったと発表した。
「ゲームで世界に先駆けろ。」がテーマの本イベントには、44国(985地域)の企業・団体が出展し、過去最多となっている。
また、商談も活発に行われており「TGSビジネスマッチングシステム」を活用した商談も3,669件と、同じく過去最多数を記録した。
幕張メッセ会場では様々なプラットフォームに向けた新作タイトルが発表され、ゲーム産業の広がりを映し出す多様な関連製品やサービス、ソリューション、グッズなどの展示を実施。
会場に用意されたイベントステージにて「基調講演」「日本ゲーム大賞2024発表授賞式」「ゲームクリエイター育成のためのプログラム発表」なども行われた。
オンラインでは全20の公式番組を、各種SNSのTGS公式アカウントと、ニコニコやSteam特設会場などのプラットフォームで配信。
中国向けにはDouYu、bilibili、欧米向けにはIGNと連携して配信している。
なお、公式番組の総視聴者数やTOKYO GAME SHOW Digital World 2024のオンライン来場者数等は後日発表を行うとのことだ。
画像出典:東京ゲームショウ2024公式サイト、公式ニュースページ