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  • 2024-07-10

国内初のアプリ外課金サービスが本格稼働

買収や開発スタジオの開設といった体制強化に関する情報が散見される中、国内初のアプリ外課金サービスに関するニュースが飛び込んできた。
こちらのサービスを用いることにより、事業者は決済手数料の負担を大幅に軽減できるようになる。
今後はゲーム以外へのサービス拡大も予定されており、多くの分野から注目を集めることになりそうだ。

主なゲーム業界ニュース

国内初のアプリ外課金サービス「アプリペイ」本格稼働

・事業者はアプリ外課金決済の機能を簡単に構築でき、決済手数料の負担を大幅に軽減することが可能に

・今後は対象領域をゲームに限らず、コミックや動画配信にも拡大していく

「第2回 NASEF JAPAN 全日本高校eスポーツ選手権」開催

eスポーツを通じて仲間と共に成長することを目的とした高校生のための大会

・競技タイトルは、初採用となる「Apex Legends」「ストリートファイター6」を含めた計5

サイバーエージェントがニトロプラスの買収を発表

ニトロプラスは人気PCブラウザゲーム「刀剣乱舞」を手掛けるコンテンツ制作会社で、買収額は167億円

・ニトロプラス側から傘下入りの申し出を行った

SNK GAMES SINGAPORE、開発スタジオを開設

2022年に設立されたSNK GAMES SINGAPOREが、開発スタジオを開設

416日にVIPゲストを招いたオープニングセレモニーを開催した

任天堂の研究開発費が過去最高の1,377億円に

・「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」等、画期的なタイトルのリリースが要因のひとつと考えられる

・研究開発費の増加に伴い、販売管理費及び一般管理費も増加

※:本記事はプレスリリース・提携ニュースメディアを参考に作成

  

国内初のアプリ外課金サービス「アプリペイ」本格稼働

2024年6月4日、デジタルガレージが、多数のアプリのデジタルコンテンツをアプリ外で購入可能な国内初※のオンラインショッピングモールサービス「アプリペイ」の本格稼働を発表した。

アプリ事業者はアプリ外課金決済の機能を「アプリペイ」内で簡単に構築でき、決済手数料の負担を大幅に軽減することが可能に。

サービス立ち上げの背景には「ユーザーのデジタルコンテンツの購入が事実上アプリ内に制限されていることで、デジタルプラットフォームを含む事業者間の競争が生まれにくく、アプリ事業者の収益圧迫に繋がっていること」「サービスのイノベーションが起きにくい状況にあるという議論の高まり」などがある。

同社は今後の展開として、対象領域をゲームに限らずコミックや動画配信にも拡大していくと共に、ユーザートラフィックを生みだすメディア機能の拡充を進めていくことを表明している。

※ 国内事業者としてゲームアイテム向けのモール提供は初。2024年6月3日時点、デジタルガレージ社調べ

画像出典:デジタルガレージ公式ニュースページ

「第2回 NASEF JAPAN 全日本高校eスポーツ選手権」開催

2024年6月17日、NASEF JAPAN/ナセフ ジャパンが高校生のためのeスポーツ大会「第2回 NASEF JAPAN 全日本高校eスポーツ選手権」の開催と概要を発表。

NASEF JAPANは発足以来、教育的eスポーツを推進する活動に積極的に取り組んできた。

「NASEF JAPAN 全日本高校eスポーツ選手権」は、eスポーツを通じて仲間と共に成長することを目的とした高校生のための大会で、NASEF JAPANが培ってきた教育的eスポーツ活動の理念と、第5回まで開催された「全国高校eスポーツ選手権」から継承した精神が下地となっている。

本選手権では「フォートナイト」「リーグ・オブ・レジェンド」「VALORANT」「Apex Legends」「ストリートファイター6」の5タイトルが採用されており、今回初登場となる「Apex Legends」「ストリートファイター6」は高校生プレイヤーからの希望が多かったことや、昨今の日本国内におけるeスポーツシーンでの盛り上がりを踏まえて採用された。

なお、第2回大会では地域や高校ごとの特徴を踏まえて「ブロック制度」を導入。

エリアおよび学校区分から全4ブロックに振り分けを行い、9月~11月にかけてブロック別のオンライン予選を実施。その後、12月に各ブロックの代表校による全国決勝が開催される。

画像出典:NASEF JAPAN公式ニュースページ

サイバーエージェントがニトロプラスの買収を発表

2024年6月26日、サイバーエージェントから、ニトロプラスを167億円で買収するという発表があった。

ニトロプラスはDMMゲームズ(現エクスノア)と共同制作した人気PCブラウザゲーム「刀剣乱舞」を手掛けるコンテンツ制作会社。
サイバーエージェントはインターネットテレビ「ABEMA(アベマ)」で刀剣乱舞のアニメなどを放映しており、これまでもニトロプラスと連携を行ってきた。

今回の買収は、海外事業や経営基盤の強化などを念頭に1月にニトロプラス側から傘下入りの申し出があり、サイバーエージェント側が受け入れた形となる。
これまでは自社独自の風土を失うことを恐れて多くのM&Aの提案を断ってきたニトロプラスだが、サイバーエージェントの藤田社長との対話などを経た結果、傘下入りが実現することとなった。

なお買収後も、ニトロプラス現社長であり刀剣乱舞プロデューサーの小坂氏が社長を続ける。
サイバーエージェントの藤田社長は対談の折に「オリジナルIPに力を入れていく中で、ニトロプラスがグループに居ることは大変心強く、新しいIP創出に一緒に取り組むことができたら嬉しい」というコメントを残していた。

画像出典:サイバーエージェント公式オウンドメディア CyberAgent Way、ニトロプラス公式サイト

SNK GAMES SINGAPORE、開発スタジオを開設

2024年6月28日、SNKは「SNK GAMES SINGAPORE PTE. LTD.」が開発スタジオを開設したと発表。

4月16日にはセントーサ島の「ONE 15 Marina Sentosa Cove」にてオープニングセレモニーが開催され、シンガポール政府関係者、現地最大手通信会社Singtel社、Razer社、国立南洋理工大学(NTU)の教授陣など、多くのVIPゲストが来場した。
セレモニーではSNK GAMES SINGAPOREの松原CEOのスピーチ、同スタジオヘッドHong Sing Tang氏の戦略説明、VIPゲストによるテープカットやパネルディスカッションも行われ、大きな盛り上がりを見せている。

SNK GAMES SINGAPOREは、日本のスタジオと連携して良質なクオリティのゲームを提供することを目標として2022年に設立。
そのため、本発表の最後は「これからもSNK並びにSNK GAMES SINGAPOREは、連携強化に努めて参ります。どうぞ、ご期待下さい」という挨拶で締めくくられていた。

画像出典:SNK公式プレスリリース

   

任天堂の研究開発費が過去最高の1,377億円に

2024年6月28日、任天堂の2024年3月期における研究開発費が、前期比25.2%増の1,377億円だったという発表があった。

同社の研究開発費としては過去最高のようで、ユーザーが自由に乗り物や構造物を作れるオープンワールドアクションアドベンチャー「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」、スマートフォンをコントローラーとして使用でき最大100人まで遊べる「エブリバディ 1-2-Switch」など、画期的な機能が盛り込まれたソフトウェアのリリースが少なからず影響しているものと考えられる。
ハードウェア面では「利便性及び動作の安定性を向上させるためのファームウェアアップデート」「ゲーム機や周辺機器の各種特別仕様追加」「ソフトウェア開発環境や各種ネットワークサービスの継続改善」などが実施されていた。
また、モバイルアプリの分野では「ファイアーエムブレム ヒーローズ」「どうぶつの森 ポケットキャンプ」「マリオカート ツアー」などの運営が行われている。

「研究開発費や広告宣伝費が増加したこと」「為替レートが円安に推移したことで外貨建ての費用が増加したこと」などの影響により、販売管理費及び一般管理費(以下、販管費)は前期比11.6%増の4,253億円に。
売上高に占める販管費の割合は、1.6ポイント増の25.4%となった。

画像出典:任天堂2024年3月期 決算説明資料