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  • 2026-03-26

ゲーム・アニメ対象としたIP支援補助金の公募が開始、今週末いよいよAnimeJapan開幕

世界モバイルゲーム市場は回復傾向にあり、複数の収益化手法を組み合わせる運営が主流となっている。また、3月から経済産業省の「IP360」補助金の公募が開始され、ゲームを含むコンテンツ制作への資金支援が本格化した。今週末には「AnimeJapan 2026」がいよいよ開催となり、ゲームとアニメを横断したIP展開やビジネス機会が拡大している。

主なゲーム業界ニュース

世界モバイルゲーム市場12兆円超・収益化は複合5〜7手法が標準

・『ファミ通モバイルゲーム白書2026』が発刊。新作情報源に動画サービスが首位浮上、テレビCMと逆転

・Sensor Towerの「収益化トレンドレポート」では80%以上のトップゲームが5〜7種類の収益化手法を併用

Steam収益タイトル数が2020年比でほぼ倍増

・Valve、GDC 2026でSteam年次レポートを発表

・年間10万ドル(約1,500万円)以上の収益を上げたタイトル数が、2020年の約3,000本から2025年には約5,800本に倍増

『デジモン』『ハイキュー!!』など人気IPのスマホ展開が続々と発表

・『デジモン』やコンシューマー発IP『魔女と百騎兵』のスマホゲーム新作が相次ぎ発表

・『ハイキュー!!』新作スマホゲームが事前登録を開始

経産省「IP360」補助金、個人・法人対象にゲーム分野で公募開始

・経産省「IP360」補助金、2026年3月公募開始。対象はゲーム・アニメ・マンガ・音楽・実写

・補助率1/2、上限1,000万円〜最大15億円の制作支援

・内容不介入の方針、クリエイター主体の海外展開IP創出を支援

「AnimeJapan 2026」いよいよ今週開幕

・2026年3月28日・29日に東京ビッグサイトにて開催、過去最多120社出展

・Com2uSが『桃源暗鬼 Crimson Inferno』『ガチアクタ The Game(仮)』、バンダイナムコが『SAO』最新作『Echoes of Aincrad』などゲームブースも登場

 

※:本記事はプレスリリース・公式サイト・提携ニュースメディア等を参考に作成

 

世界モバイルゲーム市場12兆円超・収益化は「複合5〜7手法」が標準

3月、世界モバイルゲーム市場に関する業界レポートが相次いで発表された。まず『ファミ通モバイルゲーム白書2026』が発刊(監修はSensor Tower)。2025年の世界モバイルゲーム市場は約12兆6001億円で前年比1.4%増となり、コロナ禍後の一時的減少を経て再成長に転じた。また新作の情報源は「動画系サービス」が首位(26.9%)に浮上し、テレビCMを逆転した。プレイ日数・時間の増加や「課金でより楽しめる」という認識の拡大によりコアユーザー化が進行しているという。

Sensor Towerの「収益化トレンドレポート」では、上位ゲームの80%以上が5〜7種類の収益化手法を組み合わせ、2026年にはトップ100タイトルの収益が約530億ドルに達すると予測されている。またジャンルごとに収益化構造が分化し、ミッドコアでは課金中心、ハイブリッドカジュアルでは広告と課金の併用が主流となっている。
また『ファミ通モバイルゲーム白書2026』によると年間ダウンロード数は減少傾向にある一方プレイ時間は増加しており、市場は「新規ユーザー獲得」から「LTV最大化」 フェーズへのシフトが進行している。

 

画像出典:Sensor Tower「モバイルゲーム収益化トレンドインサイト2026」/株式会社角川アスキー総合研究所 プレスリリース

 

Steam収益タイトル数が2020年比でほぼ倍増

Steamは近年大きく拡大しており、同時接続ユーザー数はピーク時で4200万人、実際のプレイ人数も1390万人に達し、2020年比で約2倍に増加している。この成長は北米や西欧に加え、日本、インド、ブラジルなど新興市場の伸長によるもので、ゲーム市場全体の規模を押し上げている。

その結果、年間売上10万ドル以上のタイトル数も約3000本から約5800本へと増加し、開発者にとっての収益機会が拡大している。Valveはこれを「競争による奪い合い」ではなく「市場全体の拡大」と位置付けている点が特徴である。

また、同社が非公開企業であることも強調された。株主や広告主の影響を受けないため、短期的な収益ではなく、ユーザーと開発者双方にとっての長期的価値を重視した意思決定が可能となっている。この方針はストア設計にも反映されており、広告優先ではなく、ユーザー体験を軸とした表示やキュレーションが行われている。
さらに、レビューの言語別表示など具体的な改善事例も紹介された。これは特定地域の問題による評価が他地域に影響することを防ぐ仕組みであり、ユーザー体験の質を高める取り組みの一環である。Steamは継続的な改善を通じて基盤としての価値を高め、市場拡大とエコシステムの成長を同時に実現している。

 

記事参照・画像出典:GDC Festival of Gaming 2026公式サイト/4Gamer.net/The GameDiscoverCo newsletter

 

『デジモン』『ハイキュー!!』など人気IPのスマホ展開が続々と発表

2026年3月、既存IPを活用したスマートフォン向け新作タイトルの発表が相次いだ。バンダイナムコエンターテインメントは、『デジモン』シリーズの新作『デジモンUP』を発表し、「またデジモンと強くなれる」をコンセプトに、ゲーム内ドットイラストの全面刷新など体験の再構築を打ち出した。さらに玩具やカードといった既存シリーズ資産との連動も示唆されており、クロスメディア展開を前提とした設計が特徴となる。

人気アニメ『ハイキュー!!』を原作とする『ハイキュー!! ALL Challengers』は、制作決定と同時に事前登録および初報PVを公開し、IPファンへの初期接触を最大化するプロモーションを展開している。

日本一ソフトウェアも公式番組にて『魔女と百騎兵』のスマホ新作を発表し、開発・運営をRUDELが担う体制で2026年度内の配信を予定している。
いずれも既存IPを基盤としつつ、モバイル市場に最適化した形で再設計されている点が共通している。

 

記事参照・画像出典:バンダイナムコエンターテインメント公式サイト、ハイキュー!! ALL Challengers公式X、日本一ソフトウェア公式サイト・公式YouTube

 

経産省「IP360」補助金、個人・法人対象にゲーム分野で3月公募開始

経済産業省が推進する「IP360」補助金(コンテンツ産業成長投資支援事業)が2026年3月より順次公募を開始した。対象分野はゲーム・アニメ・マンガ・音楽・実写となっている。
補助率は1/2、上限1,000万円(スタートアップ・個人向け)から最大15億円の大規模作品制作支援まで幅広く設定されており、また「作品の内容に口を出さない」方針を明示しており、クリエイター主体の海外展開IP創出を国が後押ししている形だ。

そもそもこの「IP360(Toward 20 Trillion Yen)」は、日本のコンテンツ産業の世界市場規模を20兆円に拡大することを目標に掲げた経産省の一大支援策だ。個人ゲーム開発者・インディースタジオから、大規模なグローバル展開を目指す法人まで対象を広くカバーしており、海外展開に必要な素材発注費やプロモーション費用にも充当可能となっている。

企画・開発から制作、ローカライズ、プロモーション、海外展開までを一体的に支援し、IPビジネス全体の価値最大化を狙う。また、個人クリエイターから大企業まで幅広く対象とし、数百万円規模から数十億円規模までの多層的な支援が用意されている。主な支援メニューは、新規IP創出を担う企画・開発段階、大規模制作や流通を含む事業化段階、そして海外市場でのローカライズや販促を行う展開段階に整理される。

 

画像出典: 経済産業省 公式サイト「IP360(コンテンツ産業成長投資支援事業)」

 

「AnimeJapan 2026」いよいよ今週開幕

2014年の初開催から13回目を迎える「AnimeJapan 2026」が、いよいよ今週末の3月28日(土)・29日(日) に東京ビッグサイトにて開催される。過去最多となる120社以上が出展し、のべ200ステージ・総勢500人超のキャスト・スタッフが集結となる。

スマホゲームIPの出展も活発で、Com2uSが『桃源暗鬼 Crimson Inferno』『ガチアクタ The Game(仮)』、バンダイナムコが『SAO』最新作『Echoes of Aincrad』をブースを出展予定となっている。アニメIPのゲーム化・ゲームIPのアニメ化を含むメディアミックス展開の発表の場としても機能しているようだ。

またパブリックデイ終了後の3月30日(月)・31日(火)はビジネスデイが開催される。IPライセンス・海外展開・アニメ×Prime Video配信戦略・中東市場動向など全6種のセミナーが実施され、アニメコンテンツホルダーと国内外バイヤーが商談できる場が提供されている。

 

画像出典:AnimeJapan 2026公式サイト、プレスリリース