- 2025-03-10
コンシューマー、モバイル共に好調の兆し
今月は各社商材が好調であることを示すニュースが多く、自社やプラットフォームの記録に迫る/更新するといった内容が複数見受けられた。
また、モバイルゲーム市場はインフレと規制強化によって前年まで2年連続で収益が減少傾向にあったが、2024年は前年比4%増と回復傾向にあるようだ。
主なゲーム業界ニュース
Nintendo Switchの世界累計販売台数、1億5000万台を突破
・任天堂で最大の売上を誇る、ニンテンドーDSシリーズの記録(1億5402万台)と並ぶ勢いを見せている
・しかし後継機Nintendo Switch 2の発表もされていることから、今後の伸び率は落ち着く可能性も
ポケポケの大ヒットでDeNAの業績が変貌
・ポケポケは2024年12月に全世界累計6000万ダウンロードを突破するなど、国内外で好スタート
・ライブストリーミング事業やスポーツ事業も好調
魔法少女まどか☆マギカMagia Exedraの事前登録が好調
・グリーグループにおける過去ヒット作の事前登録実績と比較しても非常に順調
・本作はアニプレックスから2025年春にリリース予定
モンスターハンターワイルズの初日同接数、Steam歴代6位を記録
・発売初日のSteam最大同接数は130万人で、過去作であるワールドの約4倍、ライズの約5倍
・発売日に合わせて有休を申請する人も続出
2024年のモバイル消費支出額が過去最高の1500億ドルに
・iOSとGoogle Playを合算した収益が1500億ドルで、前年比13%増。2021年以来最高の成長率を記録
・非ゲームへの支出額が前年比23%増、ゲームへの支出額が前年比4%増
※:本記事はプレスリリース・提携ニュースメディアを参考に作成
Nintendo Switchの世界累計販売台数、1億5000万台を突破
2025年2月4日、任天堂は2025年3月期第3四半期の決算発表にて、Nintendo Switchの売上が1億5000万台を突破したと発表。
Nintendo SwitchはTVモードと携帯モードを使い分けられる家庭用ゲーム機で、2017年3月3日に発売された。
その後、バッテリーの持続時間がアップした新モデル、Joy-Conと本体が一体化した「Nintendo Switch Lite」、有機ELディスプレイを採用した「Nintendo Switch(有機ELモデル)」が続々とリリース。
上述のシリーズの合計販売台数が、全世界で累計1億5086万台に到達した。
なお、任天堂で最大の販売数を誇るのはニンテンドーDSシリーズで、全世界において累計1億5402万台を販売。
Nintendo Switchシリーズとの差は約316万台となっており、今後の流れ次第ではNintendo Switchシリーズが記録を塗り替えることもあり得るだろう。
しかしNintendo Switchは2017年の発売から約8年が経過しており、後継機Nintendo Switch 2の発表もされていることから、今後の伸び率は落ち着く可能性も考えられそうだ。
実際に、前年同期と比較するとNintendo Switch等ハードウェアの販売数は約30.6%減少しており、任天堂が今後どのような戦略を取って販売台数を伸ばしていくのか、そしてNintendo Switchが最大の販売台数を誇るハードとなるのか、引き続き注目していきたい。

画像出典:「任天堂」公式サイト、公式IR情報
魔法少女まどか☆マギカMagia Exedraの事前登録が好調
2025年2月6日、グリーが第2四半期の決算説明会にて、2025年春にリリース予定の「魔法少女まどか☆マギカ Magia Exedra(通称まどドラ)」の事前登録数が想定以上に伸びていることを公表した。
なお、本作のリリース元はアニプレックス、企画・開発にはf4samuraiとグリーグループのポケラボが参画すると発表されている。
まどドラは大人気アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」が原作のアプリで、2017年から2024年の約7年にわたって愛されてきた前作アプリ「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(通称マギレコ)」の一部機能を引き継ぐことができる。
グリーによると「昨今のスマートフォンゲーム業界では事前登録者数の伸びが厳しくなってきているという声もあるが、グリーグループの過去ヒットタイトルの事前登録の実績と比較しても非常に順調」であり「そもそも非常に多くのファンを抱える有力な IPであることも含めて期待を寄せている」とのことだ。
具体的な事前登録者数は、2025年1月末時点で50万人、2月末時点では70万人を突破している。
規定人数を突破した際には、ゲーム内で使える報酬の他、スマホとPCで使えるキャラクターの壁紙が配布されており、ファンからは喜びの声が上がっていた。

画像出典:「魔法少女まどか☆マギカMagia Exedra」公式サイト、公式X
ポケポケの大ヒットでDeNAの業績が変貌
2025年2月7日、DeNAが2025年3月期 第3四半期の決算説明会を実施。
その中で、売上収益の大幅な増収(前年比60%増の465億円)と、営業利益の黒字化が発表された。
なお、前年同期は324億円の赤字で、今期は155億円の黒字となっている
背景にあるのは「Pokémon Trading Card Game Pocket(通称ポケポケ)」の成功で、2024年10月30日に150の国と地域で正式サービスを開始した後、同年12月には全世界累計6000万ダウンロードを突破。
同社が手掛けてきたタイトルと比較しても継続率が非常に高く、プレミアムパスのサブスクリプションも多くのユーザーが利用している。
その他、「Pococha」や「IRIAM」といったライブストリーミング事業も年間400億円を超える売上規模の事業に成長。
2025年3月期は前期比減収の見通しで、特に下期からはコストを見直す等、より収益性を重視した事業運営を推進していく。
スポーツ事業も好調で、横浜DeNAベイスターズにおいては2024年シーズン主催試合の観客動員数が236万人と球団史上最多を記録し、売上と利益を大きく伸ばした。
また、今後の展開として、横浜や川崎でのスマートシティ展開の核となる取り組みを推進することを発表しており、成長へ向けた投資も行いつつ前期比増収・増益を目指すとのことだ。


画像出典:「DeNA」公式IR情報
モンスターハンターワイルズの初日同接数、Steam歴代6位を記録
2025年2月28日、カプコンが「モンスターハンターワイルズ」を発売。
同日にはSteamの最大同時接続者数が130万人を突破し、Steamの歴代同接数6位を記録した。
本作は大人気ゲーム「モンスターハンター」の最新作で、シリーズ全般を通して「倒したモンスターやフィールド上から獲得できる素材を集め、その素材を使って強い武具を作り、さらに強いモンスターに挑んでいく」という仕様となっている。
また、オンライン上で他のプレイヤーと一緒に狩りができることも本シリーズの大きな特徴だ。
本作の対応プラットフォームはPS5、Xbox Series X|S、Steamで、機種間の垣根を超えたクロスプレイに対応しており、その分ユーザーのプラットフォーム選びのハードルは低くなっている。
発売日である2月28日は金曜日ということもあり、有給休暇を取得したユーザーも多く、中には「モンハンをプレイするため」とストレートな理由を添えて申請したユーザーもいるようだ。
なお、過去作「モンスターハンター:ワールド」はSteamの最大同時接続者数が約33万人、「モンスターハンターライズ」は約23万人だった。
この2作はSteam版の発売が他よりも遅く、「モンスターハンターワイルズ」 が130万人を突破した要因のひとつとして、他プラットフォームと同時発売であったことが考えられる。

画像出典:「モンスターハンターワイルズ」公式サイト
2024年のモバイル消費支出額が過去最高の1500億ドルに
2025年2月28日、Sensor Towerが手掛ける「2025年版モバイル市場年鑑」にて、モバイル消費支出額が過去最高の1500億ドル(前年比13%増)で、2021年以来最高の成長率を記録していることがわかった。
特に大きな伸びを見せたのは北アメリカとヨーロッパの主要市場で、アメリカの消費者支出額は520億ドルに達している。
モバイルにおいて収益が急増した要因として、消費者はこれまで以上にモバイルデバイス上で過ごし、モバイルで買い物をすることにも慣れつつある点が挙げられており、実際にモバイルの使用時間はほとんどの市場で増加しているようだ。
なお、大きく成長しているのは非ゲーム市場だが、ゲーム市場も4%増の810億ドルとなっている。
ゲーム市場はインフレと規制強化によって2年連続で減少が続いていたが、2024年は回復傾向を示していた。
中でも、ストラテジー、パズル、アクションの分野が人気で、成長を牽引している。
一方でダウンロード数は前年比6%減の496億で、2019年以降において最低となっている。
しかし前述の通り、ユーザーのモバイル使用時間は増加しており購買の機会も増えているため、こちらも今後回復傾向に転じる可能性は充分に考えられそうだ。
その他、各種データをまとめたレポートは、こちらで全文無料で配布されている。


画像出典:「Sensor Tower」公式レポート