- 2026-01-13
新たな制度施行や表彰発表が相次ぐ
今月は、スマートフォン市場を巡る新制度の施行や、アプリ・ゲーム分野における各種アワードの発表などのニュースが相次いだ。
これにより流通環境や評価軸の変化が明確になるなど、2026年以降の市場動向を占う上で注目すべき動きが多く見受けられる結果となった。
主なゲーム業界ニュース
チョイススクリーンの運用開始
・スマートフォン初期設定時等に、検索エンジンやブラウザを利用者が選択できる機能
・特定サービスの初期固定を避けることで、中小・新規サービスの露出機会拡大につながる可能性がある
2025年 App Store Awards 受賞作を発表
・ベストiPhoneアプリはTiimo、ベストiPhoneゲームはPokémon TCG Pocket
・ティム・クック氏は「受賞作はApp Storeの特徴であるクリエイティビティと卓越性に優れている」と述べている
「生成AI大賞2025」受賞結果発表
・グランプリに選ばれたのは、コロプラの「神魔狩りのツクヨミ」
・生成AI分野の有識者で構成された審査委員会が厳正な審査を実施し、グランプリを含む8件が表彰
スマホ新法が施行
・モバイルOS、アプリストア、検索エンジン、ブラウザなどを対象とした競争促進法が施行
・ユーザーにとっての利便性等の向上とセキュリティ面の確保が今後の課題
Steam「ベストオブ2025」発表
・売上やプレイ時間、ユーザー評価などの実データを基に選定し、ランキング化
・基本プレイ無料の定番タイトルが引き続き高収益を記録する傾向に
※:本記事はプレスリリース・提携ニュースメディアを参考に作成
チョイススクリーンの運用開始
2025年12月1日、スマートフォンの初回起動時やOSアップデート後に、検索エンジンやブラウザを利用者が選択できる「チョイススクリーン」に関する情報が、公正取引委員会から発表された。
これにより利用者は端末購入時や初期設定時に自身の判断でサービスを選択でき、自分に合った環境を構築することができる。
スマートフォン市場では初期搭載サービスが事実上の標準となりやすく、新規サービスが利用者に認知されにくい構造が課題とされてきた。
チョイススクリーンは、こうした市場構造の見直しを意識した取り組みと言える。
しかし、本施策によって初期搭載による優位性が抑制され、新規・中小サービスにも利用者への訴求機会が生まれる可能性がある一方で、実際の選択行動がどこまで変化するかは未知数だ。
これまで使用していたブラウザや検索エンジンを選択することも可能となっているため、慣れ親しんだ環境のままで過ごすことを選ぶユーザーも少なくはないかもしれない。
本施策はスマホ新法と連動する形で導入されており、流通の入口における競争環境を段階的に是正することで、制度と運用の両面から市場構造に働きかける点も特徴のひとつとなっている。

画像出典:「公正取引委員会」公式特設サイト
2025年 App Store Awards 受賞作を発表
2025年12月4日、Appleは「App Store Awards 2025」の受賞作品を発表した。
本アワードはその年に一際輝いた作品を表彰し、背景にあるデベロッパの情熱と創造性を称えるイベントで、AppleのCEOティム・クック氏は「今年の受賞作は、App Storeの特徴であるクリエイティビティと卓越性に優れ、世界水準のアプリとゲームがあらゆる場所の人々に有意義な影響を与えることを体現している」と述べている。
ベストiPhoneアプリには、Tiimo ApSが提供する「Tiimo」が選出。
視覚的に分かりやすいスケジュール管理と、認知特性に配慮したインクルーシブなUI設計が特徴で、日常生活のリズムづくりやタスク整理を支援する点が高く評価されている。
ベストiPhoneゲームに選ばれたのは、The Pokémon Companyが展開する「Pokémon TCG Pocket」だ。
人気IPの魅力を活かしつつ、アートワークやゲームテンポ、iPhoneでの操作性を重視した設計により、デジタルならではのポケモンカード体験を提供している点が評価されている。
Appleはプレスリリースの中で、受賞デベロッパについて「ユーザーがより多くのことを成し遂げ、アイデアを実現し、没入感のある体験を提供した」と述べており、ユーザーの生活支援や体験価値の向上が、今後のアプリ開発における重要な観点となりそうだ。

画像出典:「Apple」公式プレスリリース
「生成AI大賞2025」受賞結果発表
2025年12月12日、日経BPと一般社団法人Generative AI Japanは、生成AIの活用事例を表彰する「生成AI大賞」を共同開催。
生成AI分野の有識者で構成された審査委員会が厳正な審査を実施し、2025年のグランプリを含む合計8件が発表された。
グランプリに選ばれたのは、コロプラの「『神魔狩りのツクヨミ』~生成AIで切り拓く新しいエンタメ体験とクリエイションの未来~」だ。
エンタメ領域での生成AI活用がタブー視される中、同社は著名クリエイター金子一馬氏と共に独自AI「AIカネコ」を開発。
唯一無二の金子風カードを生み出せる体験を実現した結果、リリース2ヶ月で生成枚数は160万枚を突破し、生成AIでエンタメの可能性を切り拓く新ジャンル「生成ゲー」を創出した。
大賞の他、生成AI大賞2025特別賞は2件、生成AI大賞2025優秀賞は5件が受賞。
SHIFTの「生成AI×社内BPOで拓く『障がい者雇用』の新常識」(特別賞)や、東京都町田市の「進化する『マルチ生成AIプラットフォーム』で行政サービスをアジャイル!」(優秀賞)などの顔ぶれから、生成AIが身近な生活の場にも導入され始めていることがうかがえる。

画像出典:「日経BP」公式お知らせ
スマホ新法が施行
2025年12月18日、「スマホ新法」(正式名称「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」)が施行された。
本法は、モバイルOS、アプリストア、検索エンジン、ブラウザなど市場支配力を持つ事業者(Apple、Google)を対象に、競争環境の公正化を図ることを目的としており、監督機関は公正取引委員会となっている。
これまでスマートフォン市場では、流通の入口を握る上記事業者の影響力が大きく、寡占状態でユーザーの「囲い込み」を行っており自由な競争を妨げているという指摘もあった。
一例として、現状はApp StoreやGoogle Playからのアプリダウンロードが中心となっているものの、スマホ新法の施行後は、両アプリストア以外でのアプリ配信を妨げることが禁止に。
これにより新しいアプリストア等からのアプリのダウンロードも可能になるかもしれないというメリットはあるものの、審査の甘さから悪意のあるアプリ(マルウェア)が紛れ込むリスクが高まる恐れがあるというデメリットも考えられ、ユーザーによる「本当にダウンロードしてよいのか」の見極めがこれまで以上に必要となる。
本法は公正取引委員会が関係事業者等と連携して運用するとされており、ユーザーにとっての利便性等の向上とセキュリティ面の確保が、引き続き求められることとなるだろう。

画像出典:「公正取引委員会」公式X
Steam「ベストオブ2025」発表
2025年12月30日、Valveが運営するSteamは、2025年に高い支持を集めたタイトルを選出する「ベストオブ2025」を発表した。
本ランキングは売上やプレイ時間などの実データを基に構成されており、「新作」「売上上位」「最もプレイされたゲーム」「STEAMDECK」「コントローラ」「VR」「体験版」の7つのカテゴリに分けられている。
各カテゴリでは、プラチナ(1~12位)、ゴールド(13~24位)、シルバー(25~50位)、ブロンズ(51~100位 ※カテゴリによっては無し)を加えた4つのグループに分類されており、順位が一目でわかる構成に。
最終データは2026年1月1日に更新されており、売上上位カテゴリでは「Counter-Strike 2」「PUBG: BATTLEGROUNDS」「Apex Legends」「Dota 2」といった基本プレイ無料の定番タイトルが引き続き高収益であることがわかる。
この4タイトルと、2024年リリースの「Marvel Rivals」、2025年リリースの「R.E.P.O.」は最もプレイされたゲームカテゴリでもプラチナにランクインしており、人気の高さがうかがえた。
なお、詳細な結果は、Steamのサイトに設けられたこちらのページから確認ができ、ゴールド以下のグループにランクインしたタイトルも確認可能となっている。

画像出典:「Steam」公式特設サイト