- 2025-06-10
新サービス開始などの明るいニュースが散見
今月は新作ゲームのリリース情報や、新サービスの提供に向けた協業などのニュースが多く見受けられた。
「神魔狩りのツクヨミ」は、昨今話題の生成AI技術とクリエイターの創造性を掛け合わせることによって「新たなゲーム体験の創出」を目指した挑戦作であり、市場や今後生み出されていく作品に大きな影響を与える可能性がありそうだ。
主なゲーム業界ニュース
ニンテンドーeショップ、ソフトランキング掲載基準を変更
・掲載基準を、「過去2週間内のダウンロード数」から「過去3日以内の売上金額」に変更
・より流動的で、ユーザーから見て妥当なランキング変動が期待される
AI技術と創造性を掛け合わせた「神魔狩りのツクヨミ」がリリース
・ゲームクリエイター金子一馬氏が手がけるスマートフォン&PC向け新作ゲーム
・最大の特徴は「AIによるオリジナルカードの生成システム」
スクウェア・エニックスとTBSテレビ、協業へ
・目的は、国内外に向けた完全新規オリジナルIPゲームの開発
・ゲームと映像という、それぞれの分野で培ってきた知見を結集し、新たなオリジナルIPを生み出していく
「holo Indie」がサービス提供、ゲーム制作で音楽が使い放題に
・ホロライブプロダクションの二次創作ゲームブランド「holo Indie」が「Audiostock」と連携
・holo IndieクリエイターにAudiostockの音楽作品90万点以上を提供し、ゲーム制作を支援
「ファイナルファンタジーXIV モバイル」、中国先行リリースを発表
・中国の動画配信サービス「Bilibili」にて、6月に正式サービス予定であることを公開
・スマートフォンで実際にキャラクターの見た目をカスタマイズする様子などをライブ配信
※:本記事はプレスリリース・提携ニュースメディアを参考に作成
ニンテンドーeショップ、ソフトランキング掲載基準を変更
2025年5月1日、任天堂が、ニンテンドーeショップ/マイニンテンドーストアにてソフトウェアランキングの掲載基準を変更したことがわかった。
元々の基準は「過去2週間内のダウンロード数」だったが、低価格帯のソフトがランクインしやすいとも言える仕組みで、ソフトウェアの価格を大きく下げることによってダウンロード数を増やしランクインを狙う手法も一部で見受けられた。
今回新たに実装された基準は「過去3日以内の売上金額」で、SteamやDLsiteといった既存のゲーム販売サイトで用いられている仕組みと同様のものとなり、「より流動的」かつ「ユーザーから見て妥当」なランキングとなる可能性が高まった。
とはいえこちらの基準にも懸念はあり、コストパフォーマンスに対する満足度(価格に対してゲーム内容やボリュームが適切に思えるか)を直接知る方法は、未だニンテンドーeショップ/マイニンテンドーストアにはない。
また、本基準はゲームの高額化にもつながりそうなため、将来的に「タイトルの購入価値を知るためのレビュー機能」や「ランキングなどに表示されていないタイトルの高度なキュレーション機能」などが求められる可能性も考えられそうだ。

画像出典:「マイニンテンドーストア」公式サイト
AI技術と創造性を掛け合わせた「神魔狩りのツクヨミ」がリリース
2025年5月7日、コロプラがスマートフォン&PC向け新作ゲーム「神魔狩りのツクヨミ(じんまがりのつくよみ)」のサービスを開始した。
本作は「真・女神転生」シリーズや「ペルソナ」シリーズに携わるゲームクリエイター、金子一馬氏が創造する新たなローグライクカードゲームだ。
プレイヤーは戦闘スタイルが異なる複数の主人公を操って、プレイするたびに変化するダンジョンへと挑む。
ダンジョンを徘徊する敵「神魔」を退けて最上層のターゲットを討伐することが目的で、戦力の強化には「神魔札(じんまふだ)」と呼ばれるカードを用いる。
本作の最大の特徴として「AIによるオリジナルカードの生成システム」があり、金子一馬氏自らが学習を施し誕生した〈AIカネコ〉によって、世界でたった一つの自分だけのカードを生み出すことが可能だ。
なお、このオリジナルカードは敗北すると失われるものの、アーカイブには記録されており、次回以降の探索にて再度手に入れることができる。
オリジナルカードが増えることで戦略の幅が広がり、いずれは自分だけの攻略法も生み出されていくという新たな体験は、今後リリースされる作品のゲーム体験や生成AIの活用法に大きな影響を与えることだろう。

画像出典:「神魔狩りのツクヨミ」公式サイト、「コロプラ」公式プレスリリース
スクウェア・エニックスとTBSテレビが協業へ
2025年5月14日、スクウェア・エニックスとTBSテレビが、完全新規オリジナルIPのゲーム開発における協業を発表した。
スクウェア・エニックスは、2024年に策定したグループの新中期経営計画のもと、新規IP創出や新しいビジネスモデル展開、IPの多面展開などにより、確かな面白さを持つバラエティ豊かなコンテンツを顧客に届けることに取り組んでいる。
一方のTBSテレビは、デジタルコンテンツの開拓やグローバルコンテンツブランド「TBS」への成長に挑戦しており、その一環として2023年7月に自社のゲーム事業ブランド「TBS GAMES」を立ち上げ、ゲーム発のオリジナルIP創出に注力。
今回の協業は、それぞれの分野で培ってきた経験と強みを結集することによって、国内外に向けた完全新規オリジナルIPゲームを開発することを目的としており、発表の最後は「エンタテインメント分野における両社の知見を合わせて生み出す新たなオリジナルIPに、ぜひご期待ください」と結ばれていた。
「無限の想像力で、新しい世界を創り出そう」をパーパスとして掲げ、世界中の顧客の心に残る新たな体験や価値を提供し続けることを目指すスクウェア・エニックスと、「最高の“時”で、明日の世界をつくる。」ことをブランドプロミスに掲げ成長を目指すTBSテレビ、両社が力を合わせることによってどのようなコンテンツが生まれるのか、引き続き大きな注目を集めることとなりそうだ。

画像出典:「スクウェア・エニックス」「TBS GAMES」公式サイト
「holo Indie」がサービス提供、ゲーム制作で音楽が使い放題に
2025年5月14日、ホロライブプロダクションの二次創作ゲームブランド「holo Indie」が、ストックミュージックサービス「Audiostock」と連携し、参加クリエイターにAudiostockサービスの提供を開始すると発表。
審査を通過したクリエイターはAudiostockで販売中の90万点以上の音楽作品が使い放題となる。
Audiostockは音楽の使用ライセンスを売買できるサービスで、クリエイターは自身で制作した音楽を登録して使用権を販売することが可能。売上に応じた印税を受け取ることができるサービスだ。
一方のholo Indieは、二次創作ゲームクリエイターに継続的な活動をサポートするための還元エコシステムの提供と、より多くのファンに多種多様な二次創作ゲームを届ける機会の創出を目指している。
Audiostockのニュースリリースには「クリエイターの持続的な創作活動を支援する企業である」とあり、holo Indieのニュースリリースにも「音源の制作のリソースや権利に関する問題点がクリアになることで、ゲームタイトルのクオリティアップ及びリリースを促して参りたいと考えております」と、共にクリエイターへの制作支援に関する内容が明示されている。
この取り組みにより、holo Indieならびに二次創作の元となるホロライブプロダクションの勢いが、ますます活性化していくものと考えられそうだ。

画像出典:「オーディオストック」公式X
「ファイナルファンタジーXIV モバイル」、中国先行リリースを発表
2025年5月21日、「ファイナルファンタジーXIV モバイル」が中国で正式リリース予定であることが、中国の動画配信サービス「Bilibili」にて発表された。
本作そのものの情報解禁は2024年11月に行われており、ライセンス取得・監修はスクウェア・エニックスが行っている。
開発はゲーム開発スタジオのLIGHTSPEED STUDIOSで、発表以来大きな期待が寄せられていた。
なお、Bilibiliでは6月に正式サービス予定であるという情報の他、ライブ配信にて実際にスマホでキャラクターの見た目をカスタマイズするといった様子も配信されていたようだ。
本作は過去の発表にて「いくつかの地域で行われるテストを経て、まずは中国本土でのサービスを開始する予定」であることを明らかにしており、プレイヤーによるフィードバックを反映したのち、グローバル展開も行われる予定となっている。
また、PC版は11年の運営期間を経てもなお多くの支持を得ており、モバイル版がリリースされることによって、これまでPCに馴染みがなく遊べなかったユーザーや、スマホで手軽に遊びたいといったユーザーの獲得、それによるコンテンツのさらなる活性化が見込まれそうだ。

画像出典:「FFXIV_MOBILE」公式X