- 2025-09-10
新レーベル創設、現行次世代機の躍進など、明るい未来を感じさせるニュースが散見
今月はパルコの新レーベル創設やCTWのナスダック株式市場上場といった企業に関するニュースの他、Nintendo Switch 2の躍進や、原神・PUBGの現行次世代機移行といったゲーム機の世代交代に関連するニュースが見受けられた。また、eスポーツの活性化に関連するニュースもあり、ゲーム業界の明るい未来や進化を感じさせる話題が散見された。
主なゲーム業界ニュース
「Nintendo Switch 2」の全世界累計販売台数、600万台を突破
・発売から7週間で世界累計販売台数が、全世界600万台を突破
・2026年3月期中の販売数量は、1500万台に及ぶと予想されている
「原神」「PUBG」がPS4版などのサポート終了を発表
・原神はデバイス性能やアプリケーションサイズの制限などを理由に、PS4版の機能を順次停止
・PUBGはゲームプレイ環境をより安定させるため、PS4/Xbox One版から現行次世代機へ移行
大阪・関西万博にて「STAGE:0 2025」が開催
・「STAGE:0 」は高校を対象としたeスポーツ大会
・万博における高校生eスポーツ大会の開催は国内初で、EXPOホールで行われる唯一のeスポーツイベントとなる
「G123.jp」運営のCTWがナスダック株式市場に上場
・「G123.jp」は日本の人気アニメ作品のライセンスを活用した、基本無料ウェブゲームのプラットフォーム
・上場に伴い、オープニングベルセレモニーを実施
パルコが新レーベル「PARCO GAMES」を創設
・ファッション・エンタテインメント・アートなどの事業を展開するパルコがゲームパブリッシング事業に本格参入
・催事やコラボ、PARCO実店舗を活用した展開なども行い、ゲーム事業を総合的かつグローバルに推進
※:本記事はプレスリリース・提携ニュースメディアを参考に作成
「Nintendo Switch 2」の全世界累計販売台数、600万台を突破
2025年8月1日、任天堂が2026年3月期第1四半期(2025年4月1日~6月30日)の業績を発表。
その中で、今年6月5日に発売された新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」の世界累計販売台数が、発売後7週間で600万台を突破したことが報告されていた。
本ハードは「Nintendo Switch」の後継機で、世界累計販売台数は発売後4日間で350万台を突破しており、任天堂ゲーム専用機の同期間の販売台数としては過去最高を記録している。
ソフトは「マリオカート ワールド」や「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム Nintendo Switch 2 Edition」といった人気シリーズの作品がローンチタイトルとしてリリースされており、第1四半期中においては、本体の販売台数が582万台、ソフトウェアの販売本数が867万本となった。
なお、2026年3月期(25年4月1日~26年3月31日)中の販売数量は1500万台に及ぶと予想されている。
本業績発表内にて、任天堂は「現在 Nintendo Switch 2 は、多くの国において需要が供給を上回る状況にあり、お客様にはご不便をおかけしています。」と報告しており、発売から2か月ほどが過ぎてもなお多くの需要があることから、今後も順調に販売台数を伸ばしていくものと考えられるだろう。

画像出典:「任天堂」2026年3月期 第1四半期 決算説明資料
「原神」「PUBG」がPS4版などのサポート終了を発表
2025年8月6日に「原神」がPS4版、 8月13日に「PUBG」がPS4とXbox One版のサポート終了を発表した。
両作はいずれもライブサービス型の大人気ゲームで、リリースから長期間を経た今も高い支持を受けている作品だ。
原神は2020年9月28日にリリースされたオープンワールドRPG。
今回のサポート終了の理由は「デバイス性能やプラットフォームにおけるアプリケーションサイズの制限など」と発表されており、PS4版のダウンロード終了とアップデート停止は、「ゲームの配信停止」「アイテム販売の停止」「ゲームアップデートの停止」という3段階で行われ、 2025年9月10日より順次進行予定となる。
PUBGは2017年12月20日にリリースされたバトルロイヤルゲーム。
今回のサポート終了の理由は「コンソールのゲームプレイ環境をより安定したものにし、今後のアップデートでよりスムーズでシームレスな体験を実現するため」と発表されており、2025年11月13日に現行世代コンソール(PS5とXbox Series X|S)への移行が行われる予定となる。
今回、業界を牽引する2作品のサポート終了発表があったことから、運営が長期間続いているライブサービスゲームでは、現行世代機への移行が検討されている可能性が考えられそうだ。

画像出典:「原神」「PUBG」公式ニュースページ
大阪・関西万博にて「STAGE:0 2025」が開催
2025年8月15日〜17日に、大阪・関西万博最大級の屋内催事場「EXPOホール」にて、高校eスポーツ大会「STAGE:0 2025」が開催された。
「STAGE:0」は高校生のみを対象としたeスポーツ大会で、2019年の初開催以来、延べ37,641名の高校生が参加している。
また、今回の舞台であるEXPOホールは座席数約1,900席を保有する大催事場で、万博での高校生eスポーツ大会開催は国内初となり、本ホールで行われる唯一のeスポーツイベントとのことだ。
大会の模様は公式サイトやXで配信されており、各部門の詳細や対戦結果についても発表されている。
また、「STAGE:0 / ステージゼロ【公式】YouTube」では大会の様子が動画配信されており、2025年9月初旬現在も視聴が可能だ。
eスポーツ界隈においては、2025年に国際オリンピック委員会(IOC)から「オリンピック・eスポーツ・ゲームズ」を新設・開催することが発表されており、2026年には第20回アジア競技大会(愛知・名古屋)でも正式種目として開催が予定されているなど、大きな盛り上がりを見せている。
上記の影響により、来年のSTAGE:0では多くの名高校生プレイヤーたちによる、さらなる熱い戦いが繰り広げられることとなるだろう。

画像出典:「STAGE:0」公式サイト、公式X
「G123.jp」運営のCTWがナスダック株式市場に上場
2025年8月18日、CTWケイマンがナスダック株式市場に上場し、オープニングベルセレモニーを実施した。
CTWケイマンは、HTML5ゲームプラットフォーム「G123.jp」を通じ、日本の人気アニメ作品のライセンスを活用した、基本無料のウェブゲームを世界中に提供するゲームプラットフォーム企業だ。
「クイーンズブレイド」、「蜘蛛ですが、なにか?」、「ゴブリンスレイヤー」といった比較的新しいアニメから、「銀河英雄伝説」「宇宙戦艦ヤマト」「ドラえもん」などの長期にわたって愛されるアニメまで、様々なIP作品を取り扱っている。
なお、フロスト&サリバンの調査レポートによると、同社は2023年の総課金額ベースで、世界最大のアニメIP活用型H5ゲームプラットフォームだった。
オープニングベルセレモニーでは創設者兼最高経営責任者で会長の佐々木龍一氏が「G123.jpで構築した没入感のある世界観と愛されるキャラクターは、世界中のプレイヤーを魅了し続け、長期的な成長の可能性を推進しています」とコメントしており、今回の上場とセレモニーは日本発のアニメIPを軸にしたゲーム事業がグローバル市場で確固たる地位を築きつつあることの象徴とも言えるため、引き続き同社の成長に注目が集まることとなりそうだ。

画像出典: 「G123」公式サイト
パルコが新レーベル「PARCO GAMES」を創設
2025年8月19日、パルコがゲームパブリッシング事業に本格参入し、新レーベル「PARCO GAMES(パルコゲームズ)」を立ち上げると発表。
パルコはファッション・エンタメ・アートなどあらゆるカルチャーを発信しており、2023年にはゲーム事業専門チームを発足していた。
これらの事業展開を通じて培った独自の目利きと創造性をゲーム分野へ活用し、パルコの文化創造事業領域をさらに広げる新規事業として、ゲームパブリッシング事業に本格参入する。
PARCO GAMESは、パルコのゲーム事業を総合するブランド名称として発足し、より戦略的かつ継続的な事業推進をするために設けたレーベルで、パブリッシング事業の他、引き続き催事やコラボレーション、PARCO実店舗を活用した展開など「PARCO GAMES」の名の下でゲーム事業を総合的かつグローバルに推進していく。
パブリッシング事業においては、サバイバルアドベンチャー「南極計画」、2Dアクションアドベンチャー「CONSTANCE」、3D探索アドベンチャー「the Berlin Apartment」という厳選された国内外の気鋭なインディーゲーム計3タイトルを取り扱い、販売開始は2025年冬を予定しているとのことだ。

画像出典:「PARCO GAMES」公式X