- 2025-08-12
BitSummitやCEDEC等、大規模なイベントが開催
今月は、BitSummitやCEDECといった、大規模なイベントに関連するニュースが多く見受けられた。
CEDECでは著名なゲームクリエイター等による公演が実施され、一部の動画や資料はアーカイブ化されている。
また、ゲームに関する技術の進歩や情報発信に大きく貢献した人を表彰するCEDEC AWARDSも実施され、4部門の最優秀賞と、特別賞が発表された。
主なゲーム業界ニュース
Steam、決済業者の基準に違反するゲームを禁止
・コンテンツガイドラインに「決済処理業者などのルールや基準に反するゲームの禁止」の旨を追加
・新ルールに則り一部の成人向けゲームを削除したものと思われ、その数は数百にものぼると言われている
日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit」が開催
・2025年7月18日~7月20日まで、京都にある「みやこめっせ」で開催
・累計来場者数は過去最大となる5万8,065人(昨年比151%)で、総出展数は402、スポンサー数は59
「ポケパーク カントー」が2026年春に開業
・関東の多摩丘陵にある遊園地「よみうりランド」の一角に、ポケモン初の常設施設が誕生
・600匹を超えるポケモンが生息するトレーナーズエリアで、「森」と「街」をめぐる冒険が体験できる
「CEDEC2025」開催
・国内最大規模のゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2025」が、2025年7月22日~7月24日に開催
・大ヒット作「ウマ娘 プリティーダービー」など、様々なコンテンツに関する公演が行われた
「CEDEC AWARDS」の最優秀賞が発表
・エンジニアリング部門、ゲームデザイン部門、サウンド部門、ビジュアルアーツ部門の最優秀賞を発表
・技術や情報発信の面から開発者の功績を称え表彰することで、開発技術の普及・啓蒙と産業の発展を目指す
※:本記事はプレスリリース・提携ニュースメディアを参考に作成
Steam、決済業者の基準に違反するゲームを禁止
2025年7月16日までに、米Valveがゲーム配信プラットフォーム「Steam」のコンテンツガイドラインを更新。
開発者向けドキュメントに「Steamで公開すべきではないもの」として、「Steamの決済サービス業者、関連カードネットワークや銀行、インターネットネットワークプロバイダーなどによって定められた規則や基準に違反する可能性のあるコンテンツ。 特に、特定の種類の成人指定(アダルトオンリー)コンテンツ。」の項目が追記された。
この新ルール追加に伴い、近親相姦や不同意性交などを扱った多数の成人向けゲームがSteamストアから削除されたとも言われている。
その数は数百にのぼるという説もあるものの、米Valveから公式な発表は行われていない。
成人指定コンテンツについては、2024年頃から規制が強まっており、国内でも決済事業者の意向により一部のコンテンツが削除されたり決済停止となる事例も。
突然の出来事に、関連業界や顧客から困惑の声が多数挙がっていた。

画像出典:「Steam」公式サイト
日本最大級のインディーゲームの祭典、BitSummitが開催
2025年7月18日~20日、日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit the 13th」が京都のみやこめっせで開催された。
累計来場者人数は昨年比の151%となる過去最大の5万8,065人にのぼり、ブースの総出展数は402、スポンサー数は59という結果に。
グッズ配布を行っているブースもあった他、多数のインフルエンサーも配信で参加し、盛り上がりを見せていた。
また、出展作品の中から優れた作品に贈られるアワードの授賞式も実施され、「Ratatan」がVERMILLION GATE AWARD / 朱色賞<大賞> を受賞。
その他の賞も含め、受賞者の情報は専用サイトにも掲載されている。
2026年のBitSummitは、5月22日から5月24日に、同じく京都のみやこめっせで開催予定だ。
その他の詳細は未定だが、ここ数年にわたり猛暑が続いていることもあり過ごしやすいイベントとなりそうだ。

画像出典:「BitSummit」公式サイト
「ポケパーク カントー」が2026年春に開業
2025年7月22日、株式会社ポケモンは、ポケモン初の常設施設「ポケパーク カントー」の開業時期が2026年春に決定したと発表した。
ポケパーク カントーは、600匹を超えるポケモンが生息するポケモンいっぱいのトレーナーズエリアで、関東の多摩丘陵に位置するよみうりランドの一角に設置される。
全長約500mのポケモンフォレストは、多彩な地形が広がる豊かな森だ。
道、草むら、トンネル、山道などを走り回ったり、バトルやきのみをわけあったり、カントー地方を中心としたポケモンの生態をじっくり観察できる。
アシレーヌの噴水が歓迎してくれるカヤツリタウンは、訪れたみんなが夢中になれる街。
グッズ満載のポケモントレーナーズマーケット、ポケモンセンター、フレンドリィショップ、ジム、ポケモンが集うグリーティング・パレード、アトラクションなど、豊富な施設がある。
チケットは2025年秋ごろより順次販売開始予定で、その他の情報も含め、詳細な情報は決まり次第お知らせされるとのことだ。

画像出典: 「ポケパーク カントー」公式サイト、公式X
「CEDEC2025」開催
2025年7月22日~7月24日に、国内最大規模のゲーム業界カンファレンス「CEDEC2025」が開催された。
CEDECはコンピュータエンターテインメント開発者を対象としたゲームに関する技術や知識を共有するカンファレンスで、会場は神奈川県のみなとみらいにある「パシフィコ横浜 ノース」だ。
エンジニアリング、プロダクション、ビジュアルアーツ、ビジネス&プロデュース、サウンド、ゲームデザイン、学術研究の7分野で、毎年3日間にわたって約200ものセッションが行われる。
一例として、初日の7月22日にはCygamesのクライアントサイドエンジニア「嘉寺 尚也」氏が登壇。
「『ウマ娘 プリティーダービー』における映像制作のさらなる高品質化へ! ~豊富な素材出力と制作フローの改善を実現するツールについて~」という講演が行われ、映像制作にあたり直面した課題と、解決のための専用ツールを開発した事例が解説された。
CEDEC2025では「楽しさ」というゲーム開発の本質的な価値を革新し、これまでにないゲーム体験や文化を創造することを目指し、 テーマを「Innovating Fun」としている。

画像出典:「CEDEC事務局」「Cygamesエンジニア公式」公式X、「Speaker Deck」公式サイト
「CEDEC AWARDS」の最優秀賞が発表
2025年7月23日、「CEDEC AWARDS2025」の発表授賞式が行われた。
本アワードは、コンピュータエンターテインメント開発の進歩へ顕著な功績のあった技術およびゲーム開発にまつわる書籍やそれに近い水準のWeb記事、その他業界への高い貢献があった情報発信にフォーカスし、技術や情報発信の面から開発者の功績を称え表彰することで、開発技術の普及・啓蒙と産業の発展を目指している。
表彰者の選出方法は、まず「CEDEC運営委員会」と「CEDEC AWARDSノミネーション委員会」がともに協議し、ノミネーションリスト(優秀賞)を決定。
ノミネーションリストの中からCEDEC受講者が投票し、最優秀賞受賞者を決定するという形式だ。
表彰部門には、エンジニアリング部門、ゲームデザイン部門、サウンド部門、ビジュアルアーツ部門、特別賞(ゲーム開発の発展への貢献全般)の5つがあり、特別賞だけはCEDEC運営委員会にて討議・決定する形となる。
各部門の受賞者は以下の通りだ。
エンジニアリング部門:「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」開発チーム(任天堂株式会社)
ゲームデザイン部門:「アストロボット」開発チーム(Team ASOBI)
サウンド部門:「SILENT HILL 2」サウンドチーム(株式会社コナミデジタルエンタテインメント、Bloober Team S.A.)
ビジュアルアーツ部門:「3D人-3dnchu-」Yamato3D
特別賞:植松 伸夫 氏

画像出典:「CEDEC AWARDS 2025」公式サイト